道が開き、目的地に着く。
そこは、狼嵐の倉庫。
バイクを置き、勢いよく扉を開ける。
うろたえているのは狼嵐の下っ端だろう。
「狼帝はどこだ……?」
低く、威嚇を込めて訊ねると、泣きそうな顔をするだけで答えない。
もう一度訊こうかと口を開いたとき、階段上の扉が開いた。
そいつは間違いなく狼帝で、俺を見るなり驚きつつ言った。
「鬼麟を捜してるんだろ?」