私が飛び出し、階段を駆け降りてきたことに、驚愕と困惑が入り混じった顔をする下っ端たち。
全部無視して倉庫を出て、バイクの留めてあるガレージに入る。
キーを取り出してエンジンをかける。
バイクに跨り、唸るように発進する。
吹っ切りたい、それしか頭にはなく、がむしゃらに走る。
唯一の居場所だったのに、捨てちゃった。
綾も、心葉も、紘も、“鬼龍”の奴ら全員。
捨てたくなかった、一緒にいたかった、もっと、もっと。
でも、あの人が目を覚まさなくなるなんて、私が遊んでいたせいで。
気づかなかった。
約束だって、…………もう、嫌だ。
全部嫌だ。