荒げた声に、更に静かになる部屋の空気は、すごく居心地が悪い。
綾がゆっくりと近付く足音がするけれど、顔を見れない。
頭の中ではあいつが笑って言う、「お前が悪い」って。
今までのツケが回ってきたんだ、これも全部。
あいつは、こうすれば私がどういう決断をするのか、知っているから。
「棗……行くとか言うなよ」
目の前で止まる足。
静かな怒りが綾から伝わってくる。
「棗、総長がいないなんて、どうやって下の奴らに説明すんだよ」
心葉が綾の後ろから言う。
その声に、いつもの余裕はなくて、今の心情がわかる。