そうやって、あいつから逃げ出して、罪からも逃れようとあがいてる。
「私の手は、血に汚れてるの。だからさ、倖たちに触るの、すごく怖い。倖たちってば、綺麗なんだもん。綺麗だから、私が汚しちゃうんじゃないかって」
触れる度、触れられる度、そう思ってビクビクしてた。
そしたら、今度は関係のない“狼嵐”まで傷つけちゃうんじゃないかって。
「……倖は、優しいんだよ」
倖が私の手を握って、静かに涙を流してた。
私の太ももに、雫が落ちる。
「優し過ぎるから、全部溜め込んで苦しくなっちゃう」
さらりと黒い髪に手を触れ、撫でる。
泣く子供をあやすように。