虚ろな意識をなんとか覚まして、路地に入って壁に背中を預けて、うずくまるのが精一杯で。
そんなときに、綾と出会った。
綾は、どんなに私が突き放しても、傍にいてくれて、ずっと笑いかけてくれた。
「……あなたは、何を諦めているんですか?」
思わぬ質問に、動きが止まる。
諦めているとは、何?
笑い方が変だったのか、言い方がおかしいのか。
どうして、そんなことを……
「俺は、あなたを認めていないわけではありません。すがっていることを、指摘されるのが怖かったんです」