そこまで言うと、倖ははっとして黙ってしまった。
彼にも、抱える傷があるということだ。
「倖……私は、出て行けって言われたら出て行くよ?」
うつむき、目元を髪で隠す倖に優しく言う。
彼の肩はピクリと揺れると、ゆっくりと顔を上げた。
「私に、倖の気持ちはわかんない。でも、私がいることで倖が苦しいなら、私は出て行くし、もう二度とここへは来ない。学校はちょっとすぐには無理だけどさ」
偽りのない気持ちを、そのまま言葉で伝える。