そう思うと、突っ込む気など失せる。
「ところで蒼。私が呼ばれたのは、そのそっくりさんを確認するためだけなの?」
腕に絡みながら、ストラップの多い携帯をいじる蒼に、訊く。
「それもあるけど、なっちゃんといたかったから」
と、眩しいくらいの笑顔で言われた。
なんかこれ、子犬を手懐けたみたいでいいかも。
女の子顔負けの笑顔を向ける蒼の頭を撫でてやると、嬉しそうに目を細めた。
「んー……なっちゃんの手ってなんか落ち着く」
「そう?」
「うん、なんでかな」
もっと撫でてとすり寄って来る姿に、猫を重ねてしまう。