彼女が出た途端に、凍っていた空気が溶けて、脱力させる。
「はぁ~……」
とても、苦しい。
俺じゃなく、彼女が。
大人の俺でさえ投げ出したくなる彼女の背負っているもの。
小さくて、華奢なくせに、重過ぎるんだ、過去が。
護れなんて、約束するんじゃなかった。
俺なんかが、到底護ることなんてできない。
それどころかきっと、護られてしまう。