たったそれだけで気絶してしまった。
「何これ、弱っ」
のびた三人を見て、吐き捨てる。
そこで女の存在に気付いて、振り向く。
未だ怯えて、震えている。
私のことを信じられないような眼差しで見る。
「あー……大丈夫?」
一般人を前にこれはやり過ぎかもしれないと後悔しながら、手を差し出す。
目尻に涙をためて、震える手で私の手の上に載せる。
ぎゅっと握って立ち上がらせる。
「あの……ありがとう、ございました」