私は失念していた。
ここが、正門前だということを。
そして、見られているかもしれないという可能性を。

「ちょっと話があるんですけど、いいですよね?」
教室で待っていたのは、狼嵐の幹部全員。
昨日の今日で絡んでくるとは、露ほども思ってなかったので、二重に驚いた。
「時間はさほど取りませんから、ね?昨日のことだってありますし」