腕に絡む女の頬に手を触れ、できるかぎりの低い声で諭すように語る。
鼻声なのは気にしないでほしい。
「あら、もしかしてソッチ目当ての人なの?」
頬を紅潮させる女は、口元に笑みを浮かべて言った。
“ソッチ”とは、情報という意味。
この街は、遊びの面ともう一つ、情報の集まる場でもあるらしい。
俗に言う、“女達の情報網”は確かになる。
「お姉さんが教えてくれるのか?」
「そうねぇ……それでもいいけれど、あなたは一介の情報を欲してるんじゃないでしょう?」
見たところ、と。