前の席に二人がいるせいで、逃げたくても逃げられない。
「篠原さん」
呼ばれた声に、静かに立ち上がる。
教壇までの道のりが遠く感じ、辿り着く前に死にたいと百回は思った。
手渡された紙は厚く、五教科分のテストを一気に持つ。
手渡す際の先生の表情はひどく、早々に自分の席へと戻る。
ごめん、先生。期待を裏切って。
わざとじゃないから許して欲しい。
胸内では謝罪と、許しを何度も乞いまくった。