心外だと大仰に肩をすくめるレオに、本心なんてこれっぽっちも入っていないから、普通にスルーする。
倖はつまらなそうに眉を歪めただけで、立ち上がって奥の部屋へと消えた。
割りと飽きっぽいのかもしれない。
蒼はレオの腕をどかして、「重い!」と言いつつ足を踏んでいた。
なんだか、踏んだり蹴ったりな感じ。
「棗ちゃん、痛い!痛いよ!その哀れみの視線はやめてっ」
まぶしいときに手を目元にやるみたいに、私の視線から逃れようとする。
どうしようもない阿呆らしい。
しかも手遅れな感じで重病だ。