なっちゃんは、黙ったままで聞いていた。
「ほら、これ刺されたの」
シャツを捲って、傷跡を見せる。
すると、なっちゃんは俺を睨んだ。
「馬鹿、そういうの見せるもんじゃないでしょ」
悲痛そうに眉をしかめ、シャツを強引に下ろす。
確かに、人に見せるようなものじゃないけど、なっちゃんは自分のことみたいに言った。
「ちゃんと、痛かったから……」
目を伏せ、静かに涙をこぼすなっちゃんは、自虐的に微笑みを浮かべた。