14歳になると、母は家にいることが殆どなくなった。
どこで何をしているのか。
別段気にも留めなかった。
ある日、家に帰ると珍しく母の靴があった。
怖くて、逃げ出したかった。
けど、この家以外に居場所なんてないから、急いで自分の部屋に籠もった。
布団を被って、母の出て行く音をひたすら待ち続けた。
その間ずっと思い出したのは、痛みと恐怖の数々。