目を覚ますといつも通りの教室にいた。
皆は無言で何かに怯えていた。その何かは、皆の視線の先にいた……。
あの男だった…。
俺も怖くなって無言で男を見る。
「ミナサンオキマシタカ??」
「デハゲームヲハジメマショウ…。」

「ゲ、ゲ、ゲームってな、なんだよ。」
皆が無言の中、俺はそういった。
「デハ、ルールをセツメイシマショウ。ワスレナイヨウ、コクバンニカイテオキマス……。」

イス取りゲーム
1、この学校から逃げる事は出来ない。逃げ出そうとしたものには死を与える。
2、制限時間内に学校内に隠されたイスを探し座るとクリアだ。1ゲームの制限時間は1時間とする。
3、最初に学校内にあるイスの数を教える。そのイス全てに人が座るか、制限時間をすぎればゲームは終わる。
4、ゲームとゲームの間には、30分の休憩を入れる。
5、最後の1人になるまでゲームは終わらない。 以上だ。

「シツモンハナイカ⁇」
「………。」
誰も何も言わない。
「デハゲームヲハジメヨウ」
「ダイイチゲームカイシ。」
その声と共に皆走り出した。
皆は 生きる為に必死なんだろうが、俺は動かずにいた…。
「陸斗くん!イス取りゲームだから、別行動になるけど、頑張ってね。」
急に呼ばれ、俺はハッとした。
恋人の桜だった。驚いたが、桜の言葉はとても嬉しかった。
「あ、あぁ お互い頑張ろうな」
そう言うと桜は笑顔で、教室を出て行った。
「あと50分しかねぇ。急ぐか。」
俺もそうつぶやき、教室を出て、勘で理科室へと向かった。