その日の夜。
作ったカレーは少し水っぽくて、だけどまぁまぁうまくできた。
明日はアレンジしてカレードリアにしようか。
それともカレーうどんにしようか。
ネットでレシピを調べている時間が少し楽しかった。
21時過ぎ。
私はマンションを出て橋に向かった。
“会いたい”と心の中で何度も祈った。
橋の中盤で、昼間のあの女性と同じように、川を眺める姿があった。
私が少しずつ近づいていく。
どこか青白く光るその肌は、てっきり月明かりのせいだと思っていたけれど、
今夜は夜空の何処にも月は見えなかった。
かすかに輝く星たちが、夜空に散らばっている。
「…良かった。もう会えないんじゃなかと思った」
私がそう言うと、彼はふっと笑った。
いろんなことを諦めたような、自嘲的な笑みだった。
「なんで?俺がいなくなるって思った?」
「…うん」
「…どうしてそんな泣きそうな顔してるんだよ。
俺が死んでるから?可哀相って思ってくれてるの?」
その質問には答えれなかった。

