「サービスで付けたの、俺。
…やっぱり覚えてないよね。
俺、あのコンビニでバイトしてたんだよ」
「嘘…そうだったの?」
「だから、明日香ちゃんのこと前から知ってたよ。
この時間にいつも帰ってくることとか、
いつもコンビニ弁当買うこととか」
そう言って彼は、どこかいたずらっぽく笑った。
「女のくせに毎日コンビニ弁当買ってさ、たまには自炊すれば良いのに、身体に悪いのになぁって…
毎日毎日死人みたいな暗い顔してさ、仕事そんなに楽しくないのかなって思ってた」
「…………」
「でもある日さ、店長が間違ってそのプリンを大量発注しちゃった日があって、
明日香ちゃんにサービスで付けたんだ。
“良かったらどうぞ”って。
あ、本当は駄目なんだよ?でも売れなきゃ結局捨てちゃうし勿体無いじゃん?
そしたら明日香ちゃん、“ありがとう”って初めて笑ってさ、
次の日も律儀に“昨日はどうも”って」
店員の顔までは覚えていなかったけれど、あの日食べたプリンの味は覚えていた。

