三雲の横を通り過ぎると、彼は私の腕を掴んできた。
「待てって!
明日香…お前、総務内ではぶられてんだろ?
みんな仕事をお前ひとりに押し付けて、さっさと定時で帰るって…
それ、上の人知ってんのかよ?
お前、黙って言うこと聞いてるわけ?」
「離してください!」
「…なぁ、俺から言ってやろうか?
こんなの、れっきとした“いじめ”だよ。
もしかしたら部署変えとか出来るかも…」
「やめて!!」
私は思いきり彼の腕を振り切った。
キッと彼を睨みつける。
「…三雲さん、私、ちゃんとお断りしたはずです。
それなのにこんなこと…はっきり言って迷惑なんです」
「な……俺は明日香のことを想って…」
「違う!あなたは最初から自分のことしか考えていない!!
私のことも、周りのことも、何にも考えてない!!」
…いつからこんなことになってしまったのだろう。
あの日、社内の飲み会に誘われ気乗りせず参加した。

