「…めんどくさ」
女の嫉妬や偏見ほど、面倒なものはない。
社会人になって、それを身をもって実感することになるとは思ってもいなかった。
学生の頃にも、俗に言う“いじめ”など身の回りには無かった。
私が知らなかっただけかもしれないけれど、こんな子供じみたことがまさか社会に出てもあるというのはどうやら珍しいことではないらしい。
そりゃあ人間だから、どうにも馬が合わない人や理解しあえない人だっている。
それでも、それとなく“上手く付き合う”というのが“大人”というものではないのだろうか?
社会人と学生の違いは、こちらが“雇われている”という立場ということだ。
社会に出て数年の若造が、たかが嫌がらせを理由に辞めるだなんて気が引ける。
ここで逃げたら、“負け”な気がする。
幸い、同僚との人間関係が上手くいかなくとも仕事自体は嫌いではない。
ここに居ればお給料はもらえるわけだから、生きていける。
私は、大丈夫。

