誰もいない公園のベンチで、コンビニで買ったとろろそばを食べた。
5月の夜風はまだすこしひんやりとして気持ちいい。
風の音、葉が揺れる音…
遠くから車の喧騒がかすかに聞こえる。
ここが都会であることを忘れてしまいそうなくらい静かだ。
私はほんの少しだけ地元を思い出した。
「あなたは…こんな時間に何をしてるの…?」
「え?俺?」
お前以外に誰がいるのだ。
私は心の中でそう冷静に突っ込んだ。
「学生?この辺に住んでるの?」
「学生?!俺そんな若く見える?!」
「だって普通の会社員なら、平日のこの時間にそんなラフな格好で出歩かないでしょう」
「やだなぁ、社会人がみんな会社勤めだと思ったら大間違いだよ?
俺は、こう見えて調理師なの!
必殺料理人!」
そうおどけたように言ってみせた。
「あぁ、そう…」
「ま、今は違うんだけどね」
「え?」
彼はうーっと小さく唸りながら身体を伸ばした。

