恋音の葉〈短編〉




「うん、わかっ」


「やっぱだめ」



背中を見せたまま。


少しすねた口調でわたしの言葉を遮るようにそう言い残して。


――はドアを閉めて、廊下を走っていった。


「うん、待ってる……」