走って走って…


私には親なんていないんだって


自分に言い聞かせて


私はやっぱり恵まれて生まれてきたんじゃない


お母さんにとって私はただのお荷物にすぎないんだ…


気づいたら学校の門の前に立っていた


部活はすっかり終わったみたいで静かだった


空を見ると夜になっていた


先生いるかな…


やっぱり私には先生しかいないんだよ…


私は急に悲しくなって地べたに座り込んだ


私…


誰に愛されて生まれてきたんだろうか…?


「先生… 助けて…」


夏の蒸し暑い夜のなか私は先生を求めた


来るはずない先生を…