それから1時間ぐらいずっと数学と格闘した


こんなに勉強することになるとわ…


「よし! じゃあ終わりましょ お疲れ様でした」


「終わったー! 先生スゴいね 国語の先生なのに数学出来るの」


「もともと数学の先生になりたかったからね」


「そっか…」


先生だって挫折とかも味わってるんだな


「今日で終わりです 短い間でしたけどちょっとでも役に立てて良かったです」


今日で最後…


なんか悲しくなってきた


勉強出来ないのが寂しいんじゃない


先生に会えないのが嫌なんだ…


「い、嫌だよ…」


私はうつ向きながら呟いた


「えっ?」


「また勉強会して… あと1年あるじゃん…」


こんなに何かを求めたのは初めてかもしれない


「次の年もいるとは限りませんよ… それに相沢さんたちの担当をしてるかもわからない…」


「私は信じるよ… 先生を… せっかく出会ったんだからもう1年だけでも一緒にいたい」


やっと信頼できる大人を見つけたのに


離れるなんてやだ…