「ナツキー。」



私の好きな人の声。



でも、怖かった。



なんて言われるか。



ドキドキした。



だから、走ったんだ。




捕まってしまった。



「逃げるな。ナツキ。」



怖かった。



「来ないで。大っ嫌い。」



また嘘。



バカ、ばか、バカー。私のバカ。




「俺は、俺は好きだよ。」



「えっ?」



「ナツキの事。」




信じられなかった。




「私も、私もたぶんすき。」



これが本当の気持ち。




不器用な私の精いっぱいの気持ち。



「一緒に帰ってくれますか?お嬢さん。」



私は、泣くのをやめた。



そして、大きな声で



「はい。」



といったんだ。