切なさと甘さ。





…あれから一か月後。


優華と会原、そして藤崎と私は肩を並べて見知らぬ京都の地を歩いている。


「暑いね…」


「うん…」


さっきから何回この会話を繰り返しただろう。


本当に、蒸し暑い。


だらだら汗をかいてしまう。


それでも歩くのが苦じゃないのは、


藤崎の近くにいられるから。


自分自身が怖いくらいに藤崎をずっと目で追っている気がする。