切なさと甘さ。



...そんなことを思ってるうちに、


授業の終わりを告げるチャイムが鳴り出した。


無意識に握りしめていたファイルを慌てて藤崎に返す。



「これ、ありがとう。」


「もう平気なの?」


「うん、もう平気。」


「あー、まあ、俺のおかげだな、!」


「う...ん、そうだね、ありがと!」




藤崎が笑う。自然と私も笑顔になる。...というより、にやけてしまうという表現の方が適切かもしれない。