意識がもうろうとしてきている諒。 担当医に覚悟してくださいと言われた。 嫌だよ。 あたしは何度も何度も愛する人の名前を呼んだ。 聞こえたのかな、ゆっくりと目を開けてくれたんだよ。 「佑実、佑実…」 怖いんだよね。 あたしもものすごく怖いよ。 「諒、もう少しで14時11分になるよ」 あたしが生まれた時間。 諒のこだわりでこの時間に必ずキスをしていたの。