「もう忘れた事よ。今更会えるわけない し。」

そう自分に言い聞かせ、教室に入ろうとしたその時だった。

「キャー!拓様ぁ〜!」

うるさい女子を引き連れてこっちに向かって来る男子。

「やだ!超イケメンじゃん!誰だろ?」

芹那まで騒ぎ始める。

そして、私の目の前で立ち止まる。

「久しぶり!…もしかして、俺のこと忘 れちゃった?」

「……うそ……忘れるわけないじゃん…」