…………
しばらく歩いて、学校に着いた。
ザワザワー
校門をくぐれば、もうたくさんの人が下駄箱の隣に貼り出してある紙に一喜一憂していた。
うわ、皆来るの早っ!!
丁度、そう思ったとき、
「珠紀ー!!」
あたしの名前を叫びながら人混みの中から出てきた。
「そんなに叫ばなくてもあたし逃げないから…明希(アキ)。」
苦笑いをしながら目の前に居る結構仲のいい友達、七瀬 明希(ナナセ アキ)に言った。
「ごめんごめん☆」
おチャラけた風に謝る明希に心の中で溜息をつく。
明希は活発で元気で純粋な女の子。
あたしとまるで正反対な子。
そして幼稚園のときからの友達。あ、いや…友達というより幼馴染だ。
部活はバスケで男子とも仲がいいし、男友達も多い。
「で、どうしたの?」
「あっ!!それがさ!うちと珠紀一緒のクラスだったのー!!」
すごくうれしそうに笑って話してくる明希にあたしもテンション上がって、
「まじでー!!?めっちゃ嬉いんだけどー!!」
ギュッ
普段絶対しないことをしてしまった。
「珠紀もうちと同じ気持ちだって分かって嬉しいんだけど…珠紀が意外な行動したから皆見てるよ…」
「へっ?」
パッと抱きついてた明希の胸から顔を上げると周りの人が固まってこっちを見ている。
あたし、いつも学校だけは大人しい物静かなキャラを演じてる。
本当はお笑い好きで楽しいことが大好きな女の子なんだけど。
明希だけはあたしの本当の性格知ってるから抱きついても驚かないんだけど、ここは学校。
そんな訳にもいかず…
「珠…紀…ちゃん…?」
去年同じクラスの子が唖然としてあたしの名前を呼んだ。
……何してんだーーー!!!!あたしのバカ野郎ーーーー!!!!
「…明希」
あたしは無表情になって明希の顔を見た。
「な、何?」
若干、ビビってる明希をよそに明希の腕を掴んだ。
「行くよ」
「へ?…ひやぁぁぁ!!!」
あたしは明希をの返事を聞かず半ば引きずりながら全速力で走った。
ここはひとまず退散ということで。