これ以上近づくと自分にかけた呪文を保っていられなさそうだった。 気持ちが悪い。 無意識に握り締めた手は汗ばんでいる。 あの男の、あの指輪にはどんな呪文がかけられているのだろうか。 もし、あれがアキの呪いと関係しているとしたら・・ 憶測だけが広がり、もどかしい。 握っていた手にさらに力を込め、屋敷を思いっきり睨んでから来た道を戻った。