「あっ・・!」 ここまで来るのにいくつの呪文を試しただろうか。 ふとあることを思いついたミナトが呪文を唱えると、これまでになかった強い光が起こった。 その黄色い光は全てミユウの左手に吸い込まれる。 「成功だ・・!」 ミナトはガタン、とイスになだれ込むように座った。 「ありがとう、お兄ちゃん!」 思わず年甲斐もなく抱きついてしまうほどの感動があった。 治る、治らないという以上に呪いの傷に打ち勝ったということに対する喜びが大きかった。