「ほら、図星だった。」


今度は今までよりもはっきりと声がする。



「・・っつ」



・・隙をつかれた。



少年はミユウの一瞬の隙をついて部屋に侵入してきたのだ。



ミユウの腕が力なく下ろされる。



「・・降参。もう、好きにして。」



眉間のしわはなくなったが、ミユウの瞳からは光が消えた。



少年はそっと屈んで、床に落ちた白い花びらを拾いあげた。



手にとったそれを窓から差し込む月明かりに照らす。



たくさん勉強して、腕を磨いてきたのに・・なぜ。



「ねえ。」



そう呼びかける少年の姿はミユウの目に写っていない。