「アキ、早く帰らないと。」 なんとか、なんでもないよという顔を装う。 そして、心の中でそっと呪文を唱えた。 「ミユウ、そんな。すぐ治療しないと!」 「はずそうと思ってなかったから大丈夫だよ? ほら、お家の人が待ってるんじゃない?」 ミユウは両手でアキを押す。 アキも、お兄ちゃんも驚いたような顔をしている。