今も鈍く光るそのネックレス。
今にも獲物を捉えようとするトカゲの口から伸びた舌の赤みが妙にリアルで不気味だ。
「とりあえず、この傷だけでもどうにかならないかな。」
これだけ痛そうなのに外さないということは、外せないということなのだろう。
杖先でつついてみるが、何も起こらない。
「いけるかな・・」
治療呪文を唱える。
黄色い光が傷口を覆う、が赤みが少し引いた程度にしかならなかった。
「うーん。そう簡単にはいかないよね。
まずどんな魔法がかかっているか、調べないと。」
ミユウはアキの服を元どおりにし、灯りを消して部屋を出た。


