「これで役者が全員揃った、というところかな?」
「役者だ?どうでもいいが、結局ミユウをここに連れてきた犯人は誰なんだ?アキもややこしくしてくれるなよ、お前はウチにいたんだから何もできなかった筈だろう。」
「うーんそうなんだけど。
とりあえずさ、寒いからこの部屋を元に戻していいかな?」
アキもお兄ちゃん同様、ミユウが別れた時の格好のままだった。
「あー、しかしこれは厄介だぞ。薬草が全部バラバラになってしまったからなあ。」
ヨウさんは腰に手を当て、偉そうにたっているが、ここにいる誰よりもこの家の物について詳しいのではないか。
なのに自分ではどうにかするつもりはなさそうだ。
「えっへん、ボクに任せといて!」
アキは全く動く気のないヨウさんを気を咎めることもなくニコニコしている。園芸用の手袋を外してポケットにしまい、代わりに杖を取り出した。


