真夜中の魔法使い


「ほう、お前が。それで?何が目的でミユウをこんな所に連れてきたんだ。」

「ミナト、杖を向けるのはやめてよ〜!ボクが悪いんだ。」

「え、ハルト、どうしちゃったの!?」

ミナトが杖を向けた途端、ハルトの口調がいきなり変わったのだ。

「ははっ!ハルトったら情けないなあ。」

ヨウさんは呑気に笑っているけれど、一体ハルトはどうしてしまったのだろう。

「うるさい。
それに、紛らわしい登場の仕方するなよ。」

「あはは〜ごめんごめん。だって、ミナトがボクのこと途中で振り落としちゃうから〜」

ミユウの背後から現れたのは


「アキ!」

そう、アキだった。

「アキ、どこから来たの?」

「どこからって、玄関から入って来たんだよー。」


確かに、割れた窓ガラスから入ってきたお兄ちゃんの方が異常なのであって、玄関から入って、ミユウの背後のドアからリビングに入ってくるのが普通なのだ。


「そ、そっか・・・」