「ああ、ミユウ。こんなところに閉じ込められて!」
幻聴が近づいてきたと思ったら、割れた窓から外の真っ白な雪と同化してしまいそうな白衣に身を包んだミナトが入ってきたではないか。
「お、おおおにいちゃん!!?」
ミユウはあまりの驚きに、後ずさり、そのままヨウさんの腕の中にダイブする形になってしまった。今入ってきたのは、本物のお兄ちゃんなのだろうか。
「ご、ごめ「おい、ミユウに何をするんだ。」」
瞬きをする間、そのくらいの短時間でミナトはミユウを保護して、ヨウの首元に杖を突きつけていた。こんな、人間離れした動きができるのはお兄ちゃんしかいない。
「お兄ちゃん、本物だった、、じゃなくて。誤解なの!」
ミユウは慌てて兄の腕にしがみつくが、全く動じる様子はない。
「誤解なんかじゃない。コイツは誘拐犯だろう。」
「アハハ、困ったな〜誘拐してきたのはハルトだよ。」
「チッ・・
ムカつくけど、こいつの言う通りです。」
全く困っていなさそうなヨウさんの指摘に対して、ハルトは思いっきり舌打ちをして、不機嫌モードだ。


