ミユウの家は一般的な大きさの一軒家であったが、学者の両親を持つことから、5つ上の兄もミユウもずば抜けた集中力をもっていた。
声をかけられただけでは気づかないことはよくあった。

それを解消してくれるのがこの紙飛行機だった。


「あっいけない。もうお昼か。」


ミユウは紙飛行機を開いて兄からの伝言を確認して立ち上がる。
ずっと悪い姿勢で座っていたため軽くめまいがするのを無視して部屋をでる。




ダイニングに入ると兄のミナトがテーブルに料理を並べていた。



「ここ何日か、いつにもまして地下にこもっているけど、何を調べているんだい?」


二人で向かい合わせに座り、いただきますをする。
今日のメニューはオムライスだ。


なんでも器用にこなすミナトの料理は自慢じゃないけれど絶品だ。



「ちょっと、花の名前を知りたくて。」