「ねえ、アキ?」 「ん、どうした?」 ミユウが呼びかけると、アキは振り返って首をかしげる。 「このお花の名前は?」 「今日は教えない。調べてみて。」 「けち。」 「自分で知識を集めるのが魔法使いでしょ。 それ、ボク特製の枯れない魔法がかけてあるから大切にしてね。」 それだけ一気に言うとアキはパッと姿を消した。 ミユウの手の中の白い花びらは相変わらず静かな輝きを放っていた。