真夜中の魔法使い




「あ、ありがとう・・」



庇ってくれたお礼を言いながら、煙が立ち込める部屋に入って行ったハルトの後を追う。


今ので決着がついたのだろうか。





今夜何度目かわからない震えが身体中を走る。




先に行きたいけど、行きたくない。




一歩部屋の中に踏み入れた途端、そこから一歩も動けなくなってしまった。



煙のせいで視界が悪く、あっという間にハルトは見えなくなってしまった。