真夜中の魔法使い




廊下にいれば安全だと判断したのか、ハルトはミユウの手を放し、扉とは反対側の壁に寄りかかった。




「助けないと・・!」



ミユウは扉に駆け寄った。



「無駄だよ。今入ったらみんな呪い殺されてしまう。」



焦るミユウを他所に、ハルトは至って落ち着いて見えた。



「そんな、」



「失敗するようなことがあれば、アキはその程度だったってことだ。」



ミユウは再び衝撃を受けた。



勢いよく乗り込んできたはいいものの、自分は呪いについて何も知らないも同然なのだ。



ハルトの言う通り、何も出来ることはない。