真夜中の魔法使い




振る舞いが大人っぽいから13歳だということは信じたくないが、きっとそうなのだろう。

落ち着いて見てみると、ふわっとした髪の毛が、その色を除けばアキにそっくりだった。




「お前は、助けに来たんだろう?」




質問に質問で返してきたばかりか、かなり高圧的だ。



心の中で性格は似ていない、と付け加える。



「そう、だけど・・あなたに捕まっちゃったから。」




フンと鼻を鳴らして言ったのは、意外な言葉だった。



「俺も母の味方だと思うのか?」



「えっ・・」




こちらの動揺をよそに、ぐいぐいと引っ張られるのでまたよろけてしまう。



「しっかりしてって言っただろ。

お前をアキのとこに連れてってやるから大人しくついて来い。
あまり時間がない。」





「な、なんで私が・・?」




いきなり現れた救世主を前に、疑問は募るばかりだ。