だが、途中でぐいっと腕を掴まれ、反対方向に引っ張られてしまった。
「ち、ちょっと・・!」
思わず声を上げると、一瞬引っ張る力が弱まった。
こちらを振り返ったのは銀色の髪をした少年だった。
ミユウの手を掴んでいない方の手を顔に近づけ、人差し指で唇を抑えられた。
静かにしろ、ということらしい。
服装を見る限り、使用人ではないようだ。
まさかあれだけの混乱の中でミユウが犯人であると見抜いたというのだろうか。
どうしよう・・
まさかこんなに早く捕まってしまうなんて・・。
急に恐怖が戻って来て、一気に体の力が抜けた。
足がもつれて転びそうになる。


