真夜中の魔法使い




「ーーうわっ」



最後の一言を唱え終わった時、強い目眩に襲われた。



膝をつき、息を整える。


そっと立ち上がり目を開くと、いつも通り景色がはっきりと見えた。



こんなところで時間を無駄にしている訳にはいかない。進まなければ。



さっと手をかざすと、音もなく門が開いた。

中に入ってみると2人の門番と一匹の犬が雪の上で眠りに落ちていた。



声に出さずごめんなさいをして先に進む。