異変に気付いたのは門が大きく見えるところまで来たときだった。



確実におかしかった。



前回来た時には屋敷の入り口が近づくほどに気分が悪くなっていったのに、今回は何も変わらないのだ。



自分にかけた気配を消す呪文も難なく保っていられている。



罠だろうがなんだろうが、侵入しなければいけないのだから躊躇うこともない。


だが、ここまで気付かなかったのは問題だ。

もっと注意しなければこの先無事に進めないだろう。