真夜中の魔法使い




集中しすぎて周りが見えなくなってしまうことはよくあったが、今回はタイミングが悪かったのだろうか。



「それは・・ごめん。
夢中になってたから。」



こちらを見ていないことがわかっているのに、気まずくなって目を逸らす。




「お、お兄ちゃんより大事なものなんて、あるわけないでしょう?」



ため息交じりにそう言った瞬間、



先ほどまで床で粉々になっていた黄色のチョークが元通りなって手の中に収まった。