真夜中の魔法使い




「わー、寝過ぎた。」



枕元の時計を見ると、午後1時を回ったところだった。



空が白んでくるまで起きていたのだから寝過ぎた、というのは間違いかもしれないけれど。




ひとまず着替えを済ませて顔を洗いに行く。



お兄ちゃんは家の中であっても部屋着でウロウロするのを許してくれないのだ。



洗った顔を拭いていると、リビングから会話らしきものが漏れ聞こえていた。