「そうじゃなくて・・


・・なんで出てこようとしないの、ってそう思ったよ。」






「ーーもうちょっと待っててね。」




「待っててって・・?」




「ーーんー、今すぐにこの呪いを解くわけにはいかないんだ。



だから、少し待っていてほしい。

しかも、身の回りに用心してね。」





夢で見たのは本当のこと・・?
それを確認する勇気はなかった。




「お兄ちゃんも、言ってたよ。
アキには何か考えがあるんだろうって。」




アキに聞こえないよう、小さくため息をついた。
言いたいことを言うって言うことに、こんなにも勇気がいるなんて知らなかった。