私は花野叶音(はなの かのん)。
N高に通う2年生。

「叶音、昨日俺が教えた宿題持ってきた?」

私に優しく声をかけてきたのは、隣に住んでいて同じ高校に通っている宮部拓馬(みやべ たくま)。

「もっちろん!せっかく拓ちゃんに教えてもらったんだもん」

私は笑顔を向けた。

拓ちゃんは1つ年上で、家が隣ということもあり小さい頃から仲良し。
頭が良くて、私はいつも拓ちゃんに勉強をみてもらっている。